Sep 30, 2009

『俺は、中小企業のおやじ』鈴木 修



四輪&二輪のいぶし銀、スズキのトップの本。

かなり前の時代から回顧されていて、今となっては「ほー」「ふーん」程度のエピソードもありますが、総じてニッチ戦略とメジャー戦略の間を縫うような「巧さ」の目立つ思考や決断が多いと感じました。ワゴンRとか。

また、ジムニーはもともと小規模メーカーからパテントを譲り受けたものだと初めて知りましたが、これはスズキにとっても非常に大きな転機になったのではと思います。特にこっち(長野)に来てからは、ジムニーの偉大さをよく知りましたw

また、経営哲学も非常にシンプルに解釈され、わかりやすいものが多かったのが印象的です。「排気量1ccにつき価格1000円(軽自なら約70 万)」とか、「部品1個につき1円コストダウン」など、根拠はともかく「これならやれそう、これならわかる」的な言葉で、現場の方を鼓舞し、動かしているのだろうと想像できるものばかりです。

インドやGMの話題も豊富ですが、スズキの鈴木さんはより注目に値する人物です。正直、稲盛氏の著作よりは心に響きました。

将来、仮に2台目のクルマが必要になったら、たとえカネがあっても、一度はジムニーに乗りたい。

ケーススタディとしても面白いし、「ニッチ」を掲げる企業の構築が学べる。