Feb 9, 2009

グローバル・マインド 超一流の思考原理 藤井 清孝



名古屋駅の三省堂で購入。
平積みにやられた・・・

内容は、大きく2つに分かれる。1つは未体験のシチュエーションに弱い日本人と、対比としての欧米/アジア人の事例。「人」ベースで日本人の存在感が希薄だという記述に、思わず納得。以前にもレビューした、「ガラパゴス化する日本の製造業」と似たような感覚を持った。大事なコア以外もなんでも自前で作って悦に入る、そしてグローバルな潮流に完全に遅れる日本人。製造業とか製品だけではなく、「人」そのものがガラパゴスの住人と化していると著者は指摘している。ガラパゴスの住人はその土地に馴染んで、その土地でしか効果を発揮しない創意工夫が大好き。よって、ゼロベースでも物事を考える力が育たない。という論旨。

2つめは、本書の中で目を引きつける内容なのだが、著者の仕事に対する思いと遍歴を綴った箇所。三菱商事に内定を得るも、独自の就職活動を続け、マッキンゼー入社。その後、ハーバードビジネススクール、投資銀行のM&A部門の経験を積みながら、シリコンバレー系企業のマネジメントに携わり、SAP やルイ・ヴィトンの日本法人トップに。・・・という華々しい経歴の持ち主なのだが、本書を読む限り、本人は至って浮ついたところのない、むしろ決して芯のぶれない人物。当初より意識していたと言う「国際的に活躍できる仕事」「プロフェッショナルな仕事」の2軸を思い切り良く鍛えていく過程が読んで取れる。鼻につく、という方もいらっしゃるかもしれないが、日本人としては非常に貴重な経験を積んでいる著者に学ぶものは多い(自分には多すぎるくらいだ)。

スケールの差こそあれ、自分の掲げる「大事にすべきこと」も、上記の2つである。これからのキャリアと、今自分がすべきことは何かを非常に考えさせられた。今の会社で、どれだけ自分を伸ばせるか、自分が社会と会社に貢献できるか、世界への道筋はあるのか・・・など。自分の人材としての価値に、非常に不安を覚える。

他の論点にも、著者が自身の思いを語っている。ただこれらに関しては、著者独自の経験に基づく切り口ではないような気がした。非常に参考にはなったが。

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