Apr 4, 2009

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 ダニエル・ピンク, 大前 研一



気になって読んだ本。
時代が変わるな、と実感しながらもその実体が(自分の中で)漠然としていたので、そのヒントとして読んでみた。まずは章立て。

はじめに
「専門力」ではない「総合力」の時代!

第一部 「ハイ・コンセプト(新しいことを考えだす人)」の時代
1なぜ「右脳タイプ」が成功を約束されるのか
2これからのビジネスマンを脅かす「3つの危機」
3右脳が主役の「ハイ・コンセプト/ハイ・タッチ」時代へ

第二部 この「6つの感性(センス)」があなたの道をひらく
1「機能」だけでなく「デザイン」
2「議論」よりは「物語」
3「個別」よりも「全体の調和(シンフォニー)」
4「論理」ではなく「共感」
5「まじめ」だけでなく「遊び心」
6「モノ」よりも「生きがい」

あとがき
これからの成功者と失敗者を分ける3つの自問

・・・章立てで、だいたいの内容は掴んでいただけただろう。

これら本書の主張は、以下の3つより浮かび上がったものである。
1「よその国(途上国)にできることは避ける」
2「コンピュータやロボットにできることは避ける」
3「反復性のあることは避ける(1、2に類似)」

1〜3を避けるには、「創造する仕事」をする必要がある、
そのためには、上記の感性(センス)が必要である、
という流れである。

自分の仕事と絡めて納得できる部分も多く、「今の日本は切迫してるな」と感じた。自分の職場もそうだし、取引のある中小企業にしてもそう。いろんな業界分野のトップ会談(新聞報道)や雑誌「選択」を読んでも、まだまだ「古い感性」を引きずっているのかなと感じている。

言語、人種、文化的に「他流試合」が少ない日本の環境では、著者が唱えるような指摘に気づきにくいのかも知れない。海外の方が失業率でシビアなのは、すでにこの潮流に呑まれているから、と考えられるかも。日本においてこの潮流は、依然本格化していないように感じられる(政・財界の様子を見て)。しかし呑み込まれてから一番慌てる・騒ぐのは日本かなとも思える。

まず自分は、「営業」という分野で試し、さらに横断的に浸透させていきたい。ぱっと思いつくだけでも、何個かネタが出る。読んでいるうちに、きっとみなさんもそう感じられるだろう。

私は、要は「余裕のある人にしかできないことをやるべき」と説いているのではと捉えた。(デザイン・共感・コラボレーション・・・)

新しいフェーズへの入り口を教えてくれる本として、必読。
しかし、右脳に関する記述が冗長(?)なのと、大前流の訳が好みでない人も多かろう(自分は辛口好み)ので、☆4つ。

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