Jun 22, 2008

「超」勉強法 野口悠紀雄


13年前に刊行された本だが全く色あせないでいる。筆者は、能力の差は勉強で克服可能で、むしろ人生を決めるのは能力そのものよりも、どれだけ勉強したかであると説いている。その考えに基づき、独自の勉強方法、記憶方法をまんべんなく網羅してある。

そしてこの本の要点は、以下の3つである。

1面白い(と思う)ことを勉強する
2全体から理解する
3八割を理解したら、先へ進む

である。
1は、勉強には興味や好奇心が不可欠であることを示している。
2では、俯瞰的な視点を持ち学習要素の「目次」をアタマに入れてから勉強することで、その勉強の重要な点をより早く正確に得られるということを示している。
3の真意は、勉強したことはとにかく使ってみることが大事であり、一歩一歩前へ進むスタイルは時間と手間がかかりすぎるということである。基礎に拘泥するより、八割を理解してそれを使うことでおのずと残りの二割も見えてくるというわけである。

自分にとっては、3つの要点は部分的に理解していたものの、これらを徹底的に活用したことはなく、もっと早くこの方法に出会っていれば良かった、という思いが強い。

また、「個性は学習の上にしか成り立たない」という考えは、ゆとり教育や、現在の個性偏重志向にも警鐘を鳴らす内容であるだろう。

勉強や、記憶に関するコラム(脱線話)も充実しているので、読み物としても適している。

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