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この本は、コンビニで読んだビジネス向けムックに紹介されていて興味を持ったので読んでみた、というものである。この本の冒頭では、脳のタイプを大きく3つに分けている。1知識・記憶型、2対人感性型、3思考型、である。例えるなら、1はクイズ王、2はコメディアンや司会者、3は将棋やパズルの名人だ。
そして、これらの中で最も価値があり重要とされるのが、3の「考える力」である。なぜなら考える力をもつ人物はどのような分野の仕事に取り組んでも習得が早く、高いパフォーマンスが期待できるからである、と筆者は説いている。さらにこの力は単なる情報などと違い、陳腐化しない。筆者はこの能力を「地頭力」と定義し、これは訓練によって鍛えることが可能であるとしている。その「地頭力」を鍛えるためのツールが、「フェルミ推定」なのだ。
おおまかに言えばフェルミ推定とは、いかに少ない情報で結論(と思われるもの)を導きだすかというものである。文中では、「日本中に電柱は何本あるか」という例題をもとに、その思考方法を紹介している。これを紙と鉛筆のみで考え、仮説を構築するというものである。
推定そのものは大まかに(1桁誤差くらいに)合っていさえすればよく、大事なのは、この仮説をベースに筋道を立てて、「先に進むための前提条件を生み出す」ことである。フェルミ推定を紹介したところで、さらに筆者は「全体から考える」フレームワーク思考力と、「単純に考える」抽象化思考力を提示している。これらは他の、問題解決やビジネススキルアップの本にも詳しいだろう。
以上、長々と内容の要約を書いたが、自分としては「フェルミ推定」はいろんな場面で役に立つと思われる。例えば、上司からの質問にすばやく回答する、会議で会話が行き詰ったときの打開策に使う、などである。データを完全に収集している間に、世の中の情勢は大きく変わってしまっている。データで確度を上げることも重要だが、そのためにはデータをはめ込むための仮説(計算式)が必要になるということである。
真の思考力を鍛えて、仕事のスピードを上げたい方には、オススメの本である。
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