Jul 23, 2008

あなたもいままでの10倍速く本が読める


ポール・R・リーシィ著

あまりにも題名がストレートすぎて、なんだか怪しい本なのでは??と思ったのは、あなただけではない。私もだ。なのになぜこれを手に取り、レビューする気になったかというと、勝間和代氏の著作の中に紹介されていたからである。氏の後ろ盾によって、私はこの本を読んだということである。

また、この本の翻訳はビジネス書や自己啓発の本で有名な神田昌典氏である。自分自身、最近はこの手の本ばかり読んでいてなんだかなぁ・・・と感じてもいるが、ひとつの事柄に対して沢山の本を読むのは非常に効率よく、深く勉強できるという実感がある。なので、今はそういう時期なのだということで、お許し願いたい。


この本には、「フォトリーディング」という本の読み方が紹介されており、それがメインのコンテンツである。これまでの速読術とは一線を画すというのが、売りのようである。ざっくりと内容の説明をすると、

1目的を明確にし、集中する
2目次、表紙、裏表紙などをプレビュー(調査)する
3一字一字を追うのではなく、「ページ」全体を眺め、脳に写し取る
4ざっと読み進めつつ、自問自答する その答えになりそうなところは、じっくり読む
5読み終えた後に、熟成期間を設ける その後、アウトプットする

という箇条書きになる。今、自分で書いていても、なんだか怪しい気がしてきてしまった。その原因は、この本の書き味が怪しいことに端を発する。そこで、同じ意味の箇条書きを書いて、補足したいと思う。

1「この本から、自分は何を読み取るのか」を念頭に置く
2本文を読む前に、事前の情報収集をする 本文が読みやすくなる
3クルマを運転しているときのように、ピントを絞らずに全体を見つつ集中力を保つ
4読みながら、「なぜ?」を感じる その答えを探し、そこはじっくり読む
5一度、本から離れる 脳の情報整理をする時間を設けるため

少しは、改善しただろうか?私の語彙では、これが限界である。少なくとも、本を本気で読みたい、読書スピードを改善したいと考えている方にとってはそのままオススメできる本である。書いてあることは全うな事柄がほとんどである。ただし、興味本位で読もうとか、そもそも読書にあまりコンプレックスがないという人には、あまりオススメしない。興味本位で読むには文体や言葉遣いが怪しいし、本が読める人はおそらく無意識のうちに実践している内容が多いと思われるからである。

最後に、私の印象に残った言葉をひとつ。「味見のための本がある。丸呑みするための本もある。そして、ごく少数の本だけが、かみしめ、消化するためにある。つまり、たいていの本は、部分的に読めば事足りるか、全部読めたとしても特に面白くはない。本のわずかな本だけが、真剣に熟読するに値するということである。」

要らない本に長い時間を費やしたくないのなら、フォトリーディングを学びましょう、ということのようである。

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